釣りの事故は慣れた場所で起きる
釣りの事故は険しい人里離れた場所だけで起きるわけではありません。毎週通っている防波堤や人の多い磯でも、足を踏み外した瞬間に大事故になります。水に落ちると服や長靴が水を吸って体が重くなり、冷たい水は短い時間でも体温と力を奪います。泳ぎが得意でも、波のある海や冷たいため池では役に立たないことが多くあります。だから釣りの安全の要は、落ちないこと、そして落ちたときに浮いていられるよう備えることです。
救命胴衣、磯の滑りやすさとうねり、防波堤の消波ブロックからの転落の危険、雷・高圧線、事故のときの対処をまとめました。
釣りの事故は険しい人里離れた場所だけで起きるわけではありません。毎週通っている防波堤や人の多い磯でも、足を踏み外した瞬間に大事故になります。水に落ちると服や長靴が水を吸って体が重くなり、冷たい水は短い時間でも体温と力を奪います。泳ぎが得意でも、波のある海や冷たいため池では役に立たないことが多くあります。だから釣りの安全の要は、落ちないこと、そして落ちたときに浮いていられるよう備えることです。
救命胴衣は、水に落ちて意識を失ったり力が抜けたりしても体を浮かせてくれる唯一の道具です。防波堤、磯、船、ため池のどこでも着ることを原則にしてください。体に合わせてベルトを締めないと、落ちたときに脱げてしまいます。膨張式の救命胴衣は軽く快適ですが、作動装置を定期的に点検する必要があります。船釣りでは船長の案内に従い、乗った瞬間から降りるまで着用します。
防波堤を囲むコンクリートの消波ブロックは、釣りの事故がとくに多い場所です。表面が丸く傾いていて、苔と水気でとても滑りやすくなっています。ブロック同士のすき間は深く狭いので、一度落ちると一人では上がりにくく、外からよく見えないため発見や救助も遅れます。落ちる途中でぶつかってけがをすることも多くあります。多くの地域が消波ブロックを立入禁止区域にしているので、規制の有無にかかわらず、消波ブロックの上に乗って釣りをしないことを原則にしてください。釣りは防波堤の平らな上面、安全柵のある区間だけでします。
磯は海藻や苔に覆われた部分が氷のように滑りやすく、濡れて色の濃い所ほど危険です。遠い沖から来たうねりは、穏やかに見える日でも突然大きな波となって押し寄せ、人をさらっていきます。満ち潮で退路が沈む所も多くあります。磯では滑り止めの靴底がある靴を履き、波をかぶった跡のある低い場所を避け、海に背を向けないようにします。初めての磯は経験者と一緒に行き、潮と撤収の経路を前もって確かめます。
多くの竿は電気をよく通す素材で作られています。雷が聞こえたらすぐに竿を畳み、姿勢を低くして建物や車の中へ避難します。電線や高圧線の近くで投げると、糸と竿を通じて感電することがあるので、まず頭上を確かめてください。冬は低体温症、夏は熱中症が危険です。季節に合った服と水、軽食を用意し、体が震えたりめまいがしたりしたら、すぐに釣りをやめて休みましょう。症状がよくならなければ医療機関の助けを受けてください。
一人で行く釣りは、事故が起きても知らせる人がいません。できれば二人以上で行き、一人なら行き先と帰宅予定の時刻を家族や知人に伝えます。携帯電話は防水袋に入れて身につけ、電池を十分に用意します。夜釣りはヘッドライトと予備の明かりを用意し、昼のうちに地形を見ておいた場所だけでします。お酒を飲んだ状態で水辺に立たないでください。
誰かが水に落ちたとき、自分で飛び込むのがいちばん危険です。助けようとした人まで一緒に事故に遭うことが少なくありません。まず救急に通報して場所を正確に伝え、近くの浮き輪や救命胴衣、ロープ、クーラーボックスのように浮く物を投げます。落ちた人はもがくより、体を後ろに反らせて浮くことに集中します。針が深く刺さったときや、鋭いひれやとげに刺されたときも、無理に処置せず医療機関にかかってください。
気象の警報が出たとき、波が足元まで上がってきたとき、風が強まり続けるとき、雷が聞こえたとき、日が暮れるのに明かりがないときは、迷わず撤収します。立入禁止の表示や安全担当者の案内があれば、そのとおりに従います。一回の釣果より、次の釣りができる体のほうがずっと大切です。この記事は一般的な安全情報であり、現場の安全案内と気象情報を優先してください。
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